Interview vol.2

SOÉJU Meets 

Rei Kikukawa

自分を引き上げ

気持ちを切り替える

「服の力」

現役東大生モデルとして世間の注目を集めたデビューから、女優、キャスター、司会業....既存のイメージにとらわれないマルチな才能を見せてきた菊川怜さん。現在は妻として、母として、さらなる魅力を開花させています。


今回は、知的でしなやかな菊川さんをイメージして、ソージュのアイテムでスタイリング。ライフスタイルと装いの関係や今の自分にフィットする服について、お話を伺いました。

Profile

菊川怜

1978年生まれ。女優。東京大学工学部在学中にスカウトされ、モデルデビュー。大学卒業後は主に女優として、映画やドラマで活躍。才色兼備の魅力を生かし、報道番組、バラエティー番組での番組MC、女性キャスターとしても注目される。2019年に第一子を出産。現在は3児の母として育児をこなし、多忙な日々を過ごしている。

シーンに合わせて、自分をセッティングしてくれる服

今回セレクトしたのは、フォーマルやビジネスなどのオンシーンにふさわしい5つのスタイリング。どのスタイルも、菊川さんらしい溌剌とした表情で着こなしていただきました。

「普段は、本当にカジュアルな服で動き回ってるので、久しぶりにきれいな服を着させていただいたというのが、正直なところです(笑)。今回着せていただいた服は、肌触りが良くて柔らかくて、どれも本当に着心地が良かったですね」

日常のワードローブは身動きしやすいカジュアルな服が中心。一方で、菊川さんにとって、きれいな服で気持ちが切り替わるのは、とても大切な感覚なのだといいます。

「やっぱりきちんとしている服を着ると、きちんとしますし、きれいな服を着ると、きれいに見えるように自然と所作が変わる。服がその場に合わせて『自分をセッティングしてくれる』ように感じます。それって、服の力だと思うんですよね」

裾にペプラムが施されたブラウスを纏って。周囲にふわっと春の香りが立ち上がるような感じがします。

「ペプラムのおかげで、動きが出てかわいいですね。でも、かわいすぎるわけではなく、私ぐらいの年齢でも、すごくいい塩梅でフェミニンに見せてくれるように感じました。ちょっときれいにおしゃれして、食事に行きたいなという時にいいですね。これからの時季に気持ちが上がります」

スーツから感じる「記憶の蓄積」

菊川さんといえば、報道番組など、ニュース性や正確さが求められる場でも、説得力のある立ち振る舞いをされてきた印象があります。キリッとしたスーツスタイルも、菊川さんの清廉なイメージにすっと馴染みます。

「結構、スーツは好きです。若い頃、報道番組のキャスターを務めていたときにもよく着ていたので、着ると落ちつく感じがします」

ビジネスライクな服も気負いなく着こなし、瞬時にスイッチがオンになる切り替えの速さはさすがです。

「生放送や選挙特番など、緊張感のある場で人前に出ていた時はピリッとするので。その時の感覚が、体に残って染み付いてるんでしょうね。だから、スーツを着ると、記憶の蓄積というか、着ていた時のことを思い起こさせてくれるような感じがします」

「いまの私がこういう服を着るとしたら、やっぱり仕事でしょうか。あとは子供の入学式や保護者会など、きちんとした装いが求められるときにもいいですね」

「白」は、ずっと好きな色 

思わずハッと目を奪われるオールホワイトのセットアップスタイル。菊川さんが着るとモノトーンも冷たくならず、ヘルシーで垢抜けた雰囲気に見えます。

「白はすごく好きな色で、昔からよく着ています。でも白いジャケットは持っていないんですよ。今回素敵だったから、取り入れてみたくなりました。ただ子供がいると、白ってなかなか勇気が要りますよね。だから、子供と一緒ではない時とか、子供が一緒でも流れで公園に...とならない時がいいかな(笑)」

子育てで、服選びの視点が変わった

まだ手が離せない3人のお子さんとの目まぐるしい日々。ご家族で外出する際は、自分が困らないように、服選びもいくつかの基準をクリアすることが重要になってきたのだそう。

「例えば、家族で土日に遊びに行くときは、まず温度調節を考えます。 一日中外にいて暑くなってしまうと困るので、重ねられるようなものを選んだり。あとは紫外線を対策できるようなものも欠かせないですね」

「本当にドタバタで子供のお世話もあるから、なるべく自分の体を疲労させないものを選んでいます。動き回るとどうしても汗をかくし、きれいめな服も洗えるかどうかという視点で買うようになってますね」

カジュアルからフォーマルまで、幅広く着回しのきくワンピース。洗濯できるということに加えて、2wayやシルエットの美しさなど、菊川さんもたくさんのメリットを感じられた様子です。

「物が増えてしまうと管理が大変なので、クローゼットも本当によく着るもの、気に入ったものだけにしていきたいなと思っているんです。だから、このワンピースが1着あるとすごくありがたい。袖の形もかわいいから、シンプルにアクセサリーをつけるだけでも十分素敵ですよね」

最近クローゼットの見直しも考え始め、ベーシックなものの価値を再発見したのだそう。

「しばらく着ていなかったのですが、20代前半の頃に手に入れたコートがあって、やっぱりちゃんと質のいいものを定番で持っているとすごく助かるなと感じました。シンプルで質がよくてフォルムがきれいなものは残したいですね」

いつも笑顔でいるために

終始笑顔で、きらきらとした瞳が印象的な菊川さん。ご自身が「好き」と感じる服にはどんな共通点があるのでしょうか。

「いま好きなのは、質感にとろみがあったり、光沢感のあるもの。服の形ががっちり決まりすぎているものだと、自分の体のラインと齟齬が生まれてしまう気がするんです。とろみがある服は体に馴染んで、スタイルをきれいに見せてくれので、人前に出る時にもよく選びます」

ライフステージが変わり、私生活で積み重ねてきた経験を、今後は女優やタレントとして仕事にも生かしていきたいとのこと。「服は自分を引き上げてくれる道具」と話す菊川さんからは、ポジティブなエネルギーが満ち溢れているように感じます。

「好きな服を着ると嬉しいから笑顔になるし、やっぱり心もワクワクしますよね」

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