Special Interview
TOERI Meets Yuka Itaya
板谷由夏さんの「心に蓋をしない、しなやかな生き方」
Special Interview
TOERI Meets Yuka Itaya
板谷由夏さんの
「心に蓋をしない、しなやかな生き方」
凛とした立ち姿に奥行きのある知的な瞳が美しい、板谷由夏さん。映画やドラマの第一線で活躍するほか、ご自身のブランドのディレクターを務めるなど、日々精力的に活動されています。
今回は、俳優として円熟し、ますます魅力に深みが増す板谷さんに、自分らしいメイクとのつきあい方、日々を心地よく暮らすための工夫について、お話をうかがいました。
Profile
板谷 由夏
1999年、映画「avec mon mari」に出演し、女優デビュー。その後、数多くのドラマ、映画に出演し活動している。25年は1月18日からスタートした日本テレビ系ドラマ「アンサンブル」に出演。2児の母であるとともに、自身が立ち上げたファッションブランド「SINME」のディレクターも務める。
新しい出会いを求めていたい
1999年の映画出演(「avec mon mari」)から、俳優としてのキャリアをスタートさせた板谷由夏さん。映画やドラマ、話題作の出演が続き、実力派俳優として知られる一方で、ご自身が立ち上げたブランドのディレクターを務めるなど、ファッションの世界でも活躍されています。一時は、報道番組のキャスターもこなしながら仕事と家庭を両立させてきたことを思うと、相当タフに日々を駆け抜けてきたのでは。そんなこちらの憶測を軽くかわすように、ご本人は「そんなに忙しくないよ」とチャーミングに笑います。「スケジュールが空けば、プライベートでも忙しくしていたい」という、その行動力はどこからくるのでしょうか。
「意識して行動力を起こしていかないと、停滞しちゃうんですよね。物事も停滞するし、自分も停滞するのがわかるから、そのままにしておくとよどみになって、落っこちてしまう感じがあるんです。やっぱり新しい出会いを求めたいし、やりたいことをやりたいとなると、そこを追い求めていくしかないので。停滞しないためにもずっと流れていたいですね」
ベースを整えるために、当たり前のことを大切にする
そんな板谷さんが健やかさをキープする上で心がけているのは、「季節のものをおいしく食べて、適度な運動をして、ストレスを溜めずに好きなことをする」という基本的なこと。最近はまっているピラティスについては、体の構造と動きを理論的に考えながら整えるプロセスが楽しいと話す一方で、日常で触れる自然の美しさやはっとする瞬間をキャッチする心の機微も大切にしています。それは板谷さん流の「ストレスの手放し方」にも表れていました。
「頭で考えることは好きですが、それは考えることで自分が快適に過ごせるからなんですよね。自分が心地よくないなと感じたことは、ストレスになる前にすぐに手放すようにしているし、その方法も特に決めていません。『今日は天気がいいから、散歩をすればすっきりするな』とか、『青空がきれいで空気が澄んでいて気持ちがいいから、もう悲しいことを考えるのはおしまい』みたいな流れで、もやもやした気持ちを解消しているのだと思います」
メイクは気分を引き上げる魔法のような力がある
25年に及ぶ俳優人生で、幾度となく自分の顔をプロの手に任せてきた彼女にとって、メイクは役をつくる重要な要素。役に入るためのスイッチであり、“魔法のようなもの”なのだと話します。
「メイクや衣装、その分野のプロが尽力してくれることで役をつくり込むことができます。そういう意味では魔法のような力がメイクにはあって。今日の撮影でも芯のある強い女性、柔らかさを纏った女性....メイクさんのイメージで、魔法をかけてもらえました」
「メイクは気分が上がる以外にない」と話す板谷さんにプライベートのメイクの楽しみ方、ファッションとのバランスの取り方についても聞いてみました。
「私はなんとなく引き算が好きです。例えば、ボーイッシュなボタンダウンシャツにジーンズの場合は、あえてピンヒールを合わせて口紅だけとか、フォーマルな服装のときは、色をあまり入れずにベージュ系にしてマスカラだけつけるとか、盛るのではなく引きながら、自分の居心地がいいようにバランスを取る感じですね」
板谷さんが考えるミニマルの真髄
「メイクアップアイテムはたくさん持つよりもミニマルが好き」という板谷さんにとって、一番頼れるアイテムはリップ(口紅)。その使い方も柔軟でスマートです。
「私は口元のメイクが好きです。顔色が悪くても色をのせるだけで復活できる気がするし、リップを手に取ってチークのように使ってもいいですよね。1本バッグにあれば、いろいろ使えて万能ですよ」
そんな板谷さんが、「全然乾かない」と感動したトーリのリップスティック。保湿成分82%でつくられていることを知り「すごい」と一言。また先日発売されたばかりのアイブロウワックス&パウダーも新感覚の使用感にメイクさんと盛り上がったのだそう。
「パウダーだけではなく、ワックスも付いているのがすごくいいですよね。眉頭のあたりもうまくぼかしやすいと思いました」
色のセレクト、素材、パッケージデザイン、余計なものを足さないトーリのシンプルさも感性にフィットした様子です。
「ものに溢れている世の中でつい目移りしちゃうけど、本当はシンプルに自分の好きなものをひとつ選べばそれでいいんですよね。好きなものってずっと続くから」
好奇心が旺盛な人は停滞しない
好きなものは続く、ずっと自分の心に正直に行動してきた人だからこそ、説得力を持つ言葉。30代後半で「ゼロから何かを始めたい」と行動を起こし、大好きな服のことを勉強しながら自らつくり手となり、大切に育ててきたブランド「SINME(シンメ)」も来年10年目を迎えるとのこと。その裏には計り知れない努力の積み重ねがあるはずですが、さらりと話す笑顔に余計な気負いは感じさせません。ご自身が思う“魅力的な人”について聞くと、板谷さんらしい答えが返ってきました。
「男性も女性も好奇心が旺盛な人。そういう人は停滞していないですよね。外に向けて何かを知りたいと思うことは、自分の内側を知りたいということでもあるし、それをバランスよくできている人が一番魅力的だなと思います」
その言葉ひとつひとつに嘘がなく、真っ直ぐに心に届く気がするのは、板谷さん自身が常に好奇心を忘れず、物事を知ることに謙虚な人だからなのかもしれません。11年間続けたという報道番組のキャスターの仕事もかけがえのない経験として、いまに生きていることがわかります。
「報道番組にキャスターとして出演するお話をいただいた際、専門家ではない中できちんと自分の言葉で事柄を伝えていくために、必ず取材に行かせていただいて、自分が感じ取った手の届く範囲のお話を伝えさせていただいていました。普段会えない人たちにも会えましたし、あの11年がなかったらどんな人になっていたのだろう、と思うくらい重要でした。いまは情報がたくさんあって選択が難しいこともありますが、社会に目を向けて、知らないといけないこともありますよね。それを知らないでいい、とはならないでいたいですね」
経験を積みながら、流れるように生きていく
俳優業に限らずさまざまな経験を積んできた板谷さんですが、「お芝居をすること」と「チームで作品をつくること」は変わらずご自身のベースにあるといいます。1月から始まるドラマ「アンサンブル(日本テレビ系)」では、弁護士事務所の所長という役どころ。すでに撮影は始まり、年長者としてどのように現場を引っ張っていこうか模索中なのだそう。
「もうそろそろ50歳になりますが、このタイミングで所長という役が来ました(笑)。若い役者さんたちばかりの現場で、どうチームをつくっていこうかと考えています」
さらに、歳を重ねていくことの変化や現在地で感じている戸惑いについても、率直に話していただきました。
「年齢はただの数字と思いつつ、確実に老いは来るし、それを受け入れる、受け入れないというところで、いまオロオロしています。でもこれを受け入れたら最強になるなと、そういう楽しみも少し出てきました。点で考えると、いまの自分はこれでいいのかと焦ってしまうけど、点は結局線になるから、そこはあまり意識しなくてもいいし、流れていくと思えるようになってきたのかな」
「子育ても半分終わりかけて自分の時間が増えてきたというのもありますね。あんなに自分の時間がほしかったのに、さてこれからどうしようと。どこか20代の時の感じに戻っているような感覚もあるんです。知らないことを知りたいと思っていた、あのまっさらな気持ちにもう一回戻って、何かできるかもしれないと考えたりもしています」
定まりきらない心の状態を表す言葉を探しながら、思っていることを伝えようとする板谷さんは、やはり真摯な人。最後に「未来のことはわからないけど」と前置きしてから、明るい笑顔で、こうつけ加えてくれました。
「とにかく健康、それにつきますね。美味しいものを食べて美味しいと言えて、楽しい時に楽しいと言えて、笑いたい時に笑えたら、それでラッキーって思うかな」
Look Details
malo(ウールン商会 03-5771-3513)
聞き手/文:中島文子 写真:前原哲也
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